食道癌の説明や手術方法などについては、食道癌に関して多くの医療機関から様々の情報が発信されており、インターネットにおいても各種のホームページに掲載されておりますので、ここでは省略させて頂きます。
ここでは、弊社のマットレスが、食道ガンで手術された患者様に、どのように有効なのか、その点にポイントを絞って、ご説明させて頂きます。
手術方法としては、開胸術と鏡視下手術に大別されますが、鏡視下手術(開胸しないで内視鏡などを使用する手術方法)は、まだ一部の先進的な医療機関で、少人数の専門家の先生方の功績で、徐々に成績が上がってきているところという段階のようです。
一般的には、開胸術という胸を切り開いて行なう手術のようです。手術方法の詳細は、癌の部位や進行状況などによっても様々ですので、ここでは省略させて頂きます。この点については、ご担当の先生に伺うのが最良と存じます。
手術後の問題として、大きく分けて3つの問題があります。ひとつは、食道を切除し、胃を代用食道としていることで、食事時間が長く必要になったり、食べられる量が半分程度から7割程度に少なくなったりするということです。回数を分けて多くし、ゆっくりと何回も食べるという工夫が必要になることも多いようです。体重も5kg〜10kgぐらい減少することも多く、体重の回復を焦ることなく、ゆっくり召し上がられることが大切です。
次は、呼吸循環器系統への負担が大きくなるということです。肺活量も3割程度減少しますので、あせらずにゆっくりリハビリして頂きたいと存じます。
最後の三つ目の問題は、胃の噴門部分(胃の上部で食道との境にある)を引き揚げてしまうことで、言わば自動ドアが開放状態になって機能しなくなってしまいますので、食べ物や胃酸が逆流してしまうことになります。時には、胆汁(内視鏡では緑色に見えます)なども逆流してくることがあります。弊社のマットレスが開発当初は、逆流性食道炎専用のマットレスとして開発されながら、多くの食道ガン患者さんにお買い求め頂き、ご支持を頂いているのは、実はそのためであります。
ご承知のように、胃酸は強酸性でペーハーというphで言いますと、1〜2というものであり、小骨も肉もドロドロに溶かしてしまいます。アルミニウムの板さえもこの強酸性で泡を吹き出しながら、溶けてしまいます。
胃の中は、製鉄所の溶鉱炉が鉄を溶かしても溶鉱炉が溶けないように、粘膜で守られていますが、食道や咽喉部の粘膜は、胃酸に対しては、まったく無防備です。従いまして、胃酸の分泌量が多い夜間、すなわち、寝る時間帯は上半身を高くして寝る必要性があるわけです。もし、手術をされた方、または、これからされる方の場合は、ご担当のお医者様にお尋ね頂ければご理解頂けると存じます。
また、もうひとつ上半身を高くして休む意味があります。それは、縫合部における毛細管現象についてです。当然のことですが、手術の担当医の先生は、食道を縫い合わせる際にピッタリと縫い合わせます。ピッタリであれば、あるほど発生するのが毛細管現象です。
この写真をご覧下さい。割る前の割り箸をインク瓶に入れてみると、割れている間の部分で毛細管現象が発生し、インクが内側だけ上の方まで重力に逆らって上がってしまうわけです。このように、食道においても、ピッタリに縫い合わせれば、当然のようにその溝の部分に胃酸が浸潤してしまう可能性が高いわけです。
食道上部と胃を繋いで縫い合わせるわけです。その隙間に胃酸が入ってしまうと、あっという間に毛細管現象により、傷口に入り込んでしまうと考えられます。肉や骨さえも溶かしてしまう強烈なペーハー1〜2の強酸性の胃酸が、傷口にダメージを与えてしまうことは当然です。
ですから、胃酸の分泌を薬で抑えながら、分泌量の多い夜間は、食道疾患専用マットレスで寝て頂くことが、患者さん自身の努力できる最善の方法ではないでしょうか。
処方されたお薬をしっかりと飲むこと。食事は回数を増やしても良いからゆっくりとすること。そして、胃酸の分泌量が多い夜間、上半身を高くして寝ること。これらのことは、患者様自身の努力できることです。診断や手術については、担当の先生にお任せするとして、患者ができる努力を怠りなくすることが大切だと思います。